[ローマ 4日 ロイター] - イタリア中央銀行のビスコ総裁は4日、ユーロ圏の救済基金である欧州安定メカニズム(ESM)の改革について、支持する意向を表明し、金融面での域内の統合深化に向け必要との見解を示した。
ESMの改革を巡ってはイタリア連立与党内で見解が分かれている。「五つ星運動」は、欧州銀行同盟の拡大計画がより明確になるまで承認を望まない意向。一方、民主党(PD)は改革を支持している。
ビスコ総裁は、議会委員会で「改革案は正しい方向への一歩だ」とし、改革の最もポジティブな点は、単一破綻処理基金のバックストップ機能を担うことだと指摘した。
改革により、一部債権者の反対によって国債の債務再編が困難になるホールドアウトのリスクが低下し、債務再編プロセスの円滑化につながる可能性もある。
一部のエコノミストは債務再編が容易になれば、実施される確率も高まる可能性があるとして改革に懸念を示している。
ビスコ総裁は、ESM改革が自動的な再編メカニズムを含んでいないのはポジティブだとし、債権者が債務再編を阻止するリスクの低減に向け新たに設けられた条件が、債務コストの上昇ではなく低下につながるとの認識を示した。