[5日 ロイター] - 中国商務省は5日、米中通商協議が第1段階の合意に達すれば関税は引き下げられるべきだと表明した。
同省の高峰報道官は記者団に「両国が第1段階の合意に達すれば、それに応じて関税は引き下げられるべきだと中国は考えている」と述べ、両国は緊密な連絡を維持していると付け加えた。
中国の劉鶴副首相は11月26日、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表およびムニューシン財務長官と米中通商協議の「第1段階の合意」に関する課題を電話で協議した。
1560億ドル相当の輸入品を対象とする追加の対中関税が12月15日に発動される予定であるため、第1段階の合意は当初、11月にもまとまると期待されていた。
しかし、香港で続く反政府デモを支援する法案や、中国政府が少数民族ウイグル族などイスラム教徒を弾圧しているとしてトランプ政権に強硬な対応を求める法案を米議会が相次いで可決したことを受けて両国関係は緊張しており、通商協議は膠着状態にある。
一方、通商協議について中国政府に助言しているという関係筋は4日、ロイターに対し、協議が止まってしまったわけではないため、「パニックに陥る必要はない」と話した。
同関係筋は「両首脳は合意をまとめることについて話をし、当局者らが仕上げをしている」としたうえで、中国が同国の国益を損なうとみなされる企業を罰することを目的とした「信頼できないエンティティー・リスト」を公表するなどの報復措置に踏み切る公算は小さいとの見方を示した。
中国が今年、同リストを公表するかとの質問に対し、高報道官は、現時点で開示できる情報はないと述べるにとどめた。
中国の政府関係者は10月にロイターに対し、同リストを公表する準備はできているが、公表するかどうかは米中通商協議の進展次第と述べていた。[nL3N26W3FL]
高報道官は11月7日、米中が第1段階の通商合意に達すれば、既存の関税を両国が同時かつ同程度撤廃する必要があるとの見解を示していた。また、撤廃する関税の規模は交渉次第だとも述べた。
*内容を追加しました。