[ブリュッセル 11日 ロイター] - 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は11日、気候変動対策「欧州グリーンディール」を発表した。2050年までに温暖化ガスの排出を実質ゼロにすることが柱。
今月1日に就任したフォンデアライエン欧州委員長の初の大型政策で、同委員長は「人類の月面着陸の瞬間」に匹敵すると自賛しているが、化石燃料への依存度が高いポーランド、ハンガリー、チェコからはすでに反発の声が出ている。
12日のEU首脳会議で議論する。
欧州委は2050年までに温暖化ガスの排出を実質ゼロにする法案を来年3月に提案する方針。2030年までの温暖化ガスの排出削減目標を現在の40%減から「少なくとも」50%減に引き上げることも来年半ばまでに提案する。
「化石燃料への依存からの脱却で特に課題を抱えている地域」を支援するため、少なくとも350億ユーロ規模の「公正な移行のための基金」も設立する計画。
同委員長は、化石燃料からの移行を進めるため、1000億ユーロ相当の投資を動員したいと表明。EU域外にも気候変動対策を促すため、汚染物質の輸入に国境炭素税を適用する方針も示した。
環境NGO「地球の友・ヨーロッパ」は、ムードは変わったが、まだ対策が不十分だと指摘。
一方、チェコのバビシュ首相は「チェコも温暖化ガス排出の実質ゼロを望んでいる」とした上で「排出実質ゼロには巨額の費用がかかる」とツイッターに投稿した。