[ワシントン 9日 ロイター] - トランプ米大統領は9日、ホワイトハウスで記者団に対し、北大西洋条約機構(NATO)を拡大して中東諸国を含めるべきだと語った。同氏は米軍が駐留するイラクの基地をイランが報復目的で攻撃したことを受け、8日行った演説でも、NATOに中東情勢への関与拡大を求める方針を示していた。
トランプ氏は記者団に、過激派組織イスラム国(IS)は国際問題で、米以外の国々も対応する必要があると指摘。「米軍の大部分は帰還し、NATOを動員することが可能だ」と述べた。「米国はISを捕らえた。欧州のために大いに役立った」と続けた。
トランプ氏はNATOに批判的な姿勢をこれまで示しており、欧州諸国に防衛費負担を増やすよう求めてきた。
トランプ氏は、NATOに中東(Middle East)の頭文字を追加して「NATO─ME」に改名することが可能と冗談交じりに述べた。NATOのストルテンベルグ事務総長との8日の電話会談でも改名を提案したことも明らかにした。
ポンペオ米国務長官も9日にストルテンベルグ事務総長と電話会談し、イランによる攻撃について協議するとともに、NATOが中東情勢への関与を強めるようあらためて求めた。米国務省が声明を出した。
声明によると、「NATOは地域の安全保障や国際的テロとの戦いに一段の貢献ができる」との見解で両氏は一致した。