[バグダッド 10日 ロイター] - イラクのイスラム教シーア派の最高権威であるシスタニ師は10日、イラクでの米国とイランの攻撃の応酬を非難、米国とイランの対立でイラクおよび地域の地政学的状況が悪化していると警告した。
米国は3日に、首都バグダッドの空港でイラン革命防衛隊の精鋭部隊のソレイマニ司令官を空爆し殺害。報復措置としてイランはイラク国内の米軍基地をミサイル攻撃した。
シスタニ師は、一連の攻撃は主権の侵害だとし、いかなる外国勢力もイラクの運命を決定することは許されないと主張。
「力と影響力を持つ異なる勢力が行き過ぎた手法を使うことは、危機を定着させ解決を阻むだけである」と述べた。
「直近の危険で攻撃的な行動は、イラクの主権を繰り返し侵すもので、(地域の)状況悪化にもつながっている」と指摘した。
シスタニ師の言葉は、シーア派の聖都カルバラでの金曜礼拝で代理人によって伝えられた。