[シンガポール 16日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズは16日、海面上昇による経済への衝撃が、ベトナムやエジプトなど、水没リスクの高い土地が多い国の格付けに長期的にリスクをもたらすと警告した。
ムーディーズはリポートで、気候科学では海面上昇が数十年にわたり続くと予想され、洪水などの自然災害の頻発につながる見通しだとした。
そのうえで「所得損失や資産への損害、人命喪失、健康問題、海面上昇に関連した予期せぬ出来事に伴う移転などは、即時に経済・社会的に影響する」と指摘。「海面上昇に絡む極端な出来事に対する脆弱性により、投資が損なわれる恐れもある」とした。
また、国土や人口の大部分に水没のリスクがあるフィリピンなどの島国では特に、農業、観光、貿易がいずれも海面上昇によって脅かされると指摘した。
一方、日本やオランダなど所得の高い国も海面上昇のリスクにさらされているものの、対策が講じられているため、格付けに大きな影響が及ぶ可能性は低いとした。