[シドニー 20日 ロイター] - オーストラリア政府は20日、長引く森林火災の打撃を受けている小規模企業向けの助成金の拡大と、無利息での融資を発表した。
今回の森林火災では29人が死亡し、2500戸以上の住宅が焼失。多数の動物も犠牲になっている。火災は昨年9月以降、ドイツのおよそ3分の1に相当する面積を焼いたとされる。
業界団体の推計によると、森林火災による豪観光業界の被害は10億豪ドルほどに達する見通しだ。
連邦政府は、森林火災の打撃を受けた小規模企業向けの助成金について、当初発表の1社当たり1万5000豪ドルから5万豪ドル(約3万4400米ドル)に引き上げるとした。また、最大50万豪ドルを2年間、無利息で貸し付ける。
モリソン首相は地元TVに出演し「こうした支援により、客足は戻り、企業は再建できる。地元の町やコミュニティーも復活できる」などと強調した。
与党連合は2019年の総選挙で財政健全化を公約に掲げていた。しかし、フライデンバーグ財務相は、2020年6月までの今年度の財政収支を50億ドルの黒字にするとの約束を果たせるかとの記者団の質問に「確実な答えを話す立場にない。なぜなら(火災による)最終的な経済的影響がまだ不透明だからだ。われわれの重点は黒字ではない」と述べた。
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