[ベルリン 5日 ロイター] - ドイツのテューリンゲン州議会で5日、極右政党「ドイツのための選択肢」(AfD)の支持する候補が州首相に選出された。
メルケル首相の与党・キリスト教民主同盟(CDU)もAfDとともに同候補を支持。既成政党は極右と協力しないという戦後の慣例が崩れた格好となった。
AfDの支持する候補が州首相に選ばれたのは初めて。
国政でCDUと連立を組む社会民主党(SPD)は「ドイツ民主政治史のタブーが破られた」と批判している。
テューリンゲン州首相に選ばれたのは、自由主義を掲げる自由民主党(FDP)のトーマス・ケメリッヒ氏。
CDUは、AfDの議員の投票行動には責任を負えないとして、SPDの批判に反論。CDUのクランプカレンバウアー党首は、国政レベルでAfDと協力することはなく、ケメリッヒ氏が率いるテューリンゲン州の内閣にCDUの議員が参加することに反対すると表明した。
今回の問題を巡って、SPDが国政レベルでメルケル首相の連立政権から離脱する可能性は低いが、SPDは支持者がベルリンのCDU本部前で抗議活動を行うとしている。