[ウェリントン 10日 ロイター] - ニュージーランドのアーダーン首相は10日、中国における新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大は「必然的に」ニュージーランド経済に影響を及ぼすとみられるが、対応可能な範囲にとどまるとの見方を示した。
首相は記者会見で「中国は予測の一部に既に影響を織り込んでいる」と指摘。「世界的な影響が見られているため、ニュージーランドにも必然的に影響が及ぶ」とした。
同国の輸出業者は中国向けの食肉や乳製品、水産品、木材の契約が取り消されるなどの影響を受けている。中国はニュージーランドにとって最大の貿易相手国で、食品輸出や観光業、サービス部門に中国が占める割合は大きい。
アーダーン首相は、影響がどれだけ大きくなるかを語るのは時期尚早とし、悪影響を抑えるために観光、教育の各業界と貿易業者と連携を取っていると語った。
「経済的な影響が出るのは疑うべきもない。国内総生産(GDP)に影響が及ぶだろう」としたうえで「しかし、対応可能な問題だ」と続けた。
同国の昨年の経済成長率は2.9%と、市場予想を若干下回った。中銀は12日の会合で政策金利を過去最低の1.0%に据え置くとみられているが、ウイルス流行などを理由に利下げを近く実施する可能性もある。
豪銀ウエストパックは、コロナウイルスの影響で、ニュージーランドの第1・四半期GDPが従来の想定よりも0.6%低くなると予想。中国国内の移動制限が2カ月続き、工場の操業停止が1カ月続くとの前提を置いている。
ニュージーランドではコロナウイルスの感染者は確認されていない。
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