[ワシントン 13日 ロイター] - 米国防総省は13日、議会に対し、国防予算からメキシコ国境沿いの壁建設に38億ドル強を振り向けるのを認めるよう要請した。野党・民主党は阻止に動くとみられる。
民主党筋によると、再配分するよう要請があったのは州兵向けの予算15億ドルと軍装備品の調達費だという。
トランプ氏が公約に掲げる壁建設を巡り、これまでも予算の転用に反対してきた議会民主党は、今回の方針について危険で的外れだと批判。
下院歳出委員会のニタ・ローウィー委員長(民主党)と国防歳出小委員会のピート・ビスクロスキー委員長は声明で「トランプ大統領はまたしても権力分立をないがしろにし、無駄な国境の壁のために軍事資源を流用することで米国の安全保障を脅かしている」と非難。
下院軍事委員会の共和党トップ、マック・ソーンベリー議員は国防総省の取った行動は「憲法で保障されている議会の権限に反している」と批判した。
国防総省の高官は、エスパー国防長官が国防予算のうち約38億ドルを国境沿い290キロの区間の壁建設に振り向けることを既に承認したと明らかにした。