[18日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は18日、2月理事会の議事要旨を公表した。理事会では追加利下げの妥当性について協議したが、利下げに伴うリスクが利点を上回ると判断したことが分かった。
豪中銀は4日に開いた今年最初の理事会で、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを過去最低の0.75%に据え置き、追加利下げへのハードルが高いことを示唆した。[nL4N2A416M]
議事要旨によると、追加緩和を巡る判断は「中銀のインフレ・雇用目標に向けた前進が緩やかである」ことが主な決定要因になった。
理事会では、金利を引き下げればこれらの目標に向けた前進が加速する可能性がある一方、一段の利下げによる追加的な効果を超緩和的政策に伴うリスクに照らして検証する必要があるとの意見が出た。
そうした議論の結果、理事会は「今回の会合ではキャッシュレートを据え置くべきとの結論に至った」という。
議事要旨によると、理事会メンバーは、豪経済が完全雇用に達し、インフレ目標に到達するためには、長期にわたる低金利が必要との見方で一致した。
そのうえで理事会は「今後も労働市場などの動向を注視するとともに、必要に応じ追加緩和を行う用意が引き続きある」と表明した。
理事会メンバーは、追加利下げを行えば家計の借り入れを促し、すでに高水準にある家計債務が一段と膨らむ恐れがあると指摘した。
豪住宅市場は、2017─19年の下落分の3分の2超をわずか6カ月間で取り戻している。
中銀は足元の住宅市場の回復について、家計のバランスシートには明るい材料となっているが、個人消費への波及はまだ見られないと指摘。家計のバランスシートの調整がいつまで続くかも不透明とした。
このほか、長期にわたる森林火災や新型コロナウイルスの感染拡大も見通しを不透明にしている。
理事会は新型ウイルスの影響について、中国経済に対する「重大な」リスクであり、同国との緊密な貿易関係を踏まえると、オーストラリアにも大きなリスクだと警戒感を示した。
ただ、全体としては豪経済に関する強気の見方を維持し、緩和的な金融政策や資源・インフラ投資の持ち直し、住宅建設の回復が向こう数年にわたり成長を押し上げるとの見方を示した。
*内容を追加しました。