[ソウル 28日 ロイター] - 韓国疾病予防管理局(KCDC)は28日、新型コロナウイルスの国内の感染者が256人増え、累計2022人になったと発表した。
新たな感染者のうち182人が南東部の大邱市で確認された。同市では、新興宗教団体「新天地イエス教会」の信徒の感染が続出している。
感染による死者数は13人で、前日から変わらず。
この日のソウル株式市場は過去1週間の国内の感染者急増と米株式市場の急落を受け、下げが加速。週間では2011年以来の大幅な下落率を記録する見通し。
韓国の人気男性グループBTS(防弾少年団)は新型ウイルス感染拡大を受け、4月にソウルで開催を予定していた公演を中止する。所属事務所が発表した。
大韓航空 (KS:003490)は28日、米国行きの便の乗客全員の体温を測り、37.5度以上の場合は搭乗を拒否すると発表。25日に乗員の1人に新型コロナウイルスの陽性反応が出たことを受けた措置で、同社は仁川国際空港近くにある事務所を閉鎖している。
現代自動車 (KS:005380)は28日、従業員1人に同ウイルスの陽性反応が出たことを受け、南東部の蔚山(ウルサン)市にある工場の1つで生産を停止したことを明らかにした。
発表を受け、同社株はソウル市場で5%超急落した。
同社従業員が加盟する労働組合のスポークスマンは、従業員1人が陽性反応を示したことを確認したが、詳細には言及しなかった。
現代自は、ニュースリリースで「感染した従業員と濃厚接触した同僚らを自主的な検疫の対象にし、感染の有無を検査するための措置を取った」とした。工場では消毒作業が行われているという。
蔚山市は、集団感染が起きている教会がある大邱市からそれほど遠くない距離にある。
同社は蔚山市に5つの自動車工場を持つ。生産能力は年間140万台で、同社の世界生産の30%近くを占める。世界最大規模の工場設備で、従業員数は3万4000人。
稼働を停止した工場は「パリセード」「ツーソン」「サンタフェ」「ジェネシスGV80」などスポーツ用多目的車(SUV)を生産している。
中国を震源地とする新型コロナウイルスの感染は、同国以外では、44カ国・地域に広がり、約3500人の感染例と54人の死者が報告されている。
中国以外では韓国の感染例が最も多く、現代自動車やサムスン電子 (KS:005930)などの企業に影響を与えている。
*内容を追加しました。