Aaron Sheldrick
[長野/東京 27日 ロイター] - 山から雪を運んで東京五輪の会場を冷やそうという試みが、記録的な雪不足という問題に直面している。
豪雪地帯として知られる新潟県南魚沼市から埼玉県さいたま市まで貨物列車で雪を運び、サッカーとバスケットボールの試合会場周辺で雪の入った小袋を配る計画だ。
大会期間中、首都圏の気温が40度近くまで上昇する可能性もあるため、休憩用に設置したテントの中を雪を使って冷やすことも考えている。
昔から、雪や氷はあらゆるものを冷やすために利用されてきた。紀元前4世紀、ギリシャのアレキサンドロス大王はは雪にはちみつや桃の汁をかけて楽しんだ。ノルウェーのオスロ空港は冬に貯めた雪で夏に建物を冷却している。
ところが今回の東京五輪の企画では記録的な雪不足という問題が生じ、担当者が対応に追われることになった。
南魚沼市は冬の間に雪を一カ所に集積し、そこからさいたま市へ運ぼうと考えていた。昨年行った実験では十分な量の雪を確保できた。
しかし、今年は予想より降雪が少なく、市は2月に集積場所の変更を決定した。これまでに集めた量は1400立方メートル。企画を担当する南魚沼市の関睦主幹によると、五輪に使う量としては十分だが、昨年の2000立方メートルには及ばないという。
気象庁によると、今冬の新潟県の積雪深は1981年の観測開始以降、過去最低となる見込みだ。
「北半球全体で異常な暖かさが続いおり、日本はその一部だ」と、米米ペンシルベニア州立大学の気象専門家、マイケル・マン教授は言う。「人類が引き起こした地球温暖化と関係している」
(取材協力:久保信博)
*内容を追加しました。