[シドニー 2日 ロイター] - 関係筋によると、オーストラリアの金融規制当局は2日、新型コロナウイルスの感染拡大が経済にどのような影響を及ぼすかを協議するため、緊急の電話会議を開いた。
会議には健全性規制庁(APRA)、証券投資委員会(ASIC)、準備銀行(RBA)が参加した。
金融市場は、あす3日のRBA理事会で25ベーシスポイント(bp)の利下げが決まる確率をほぼ完全に織り込んでいる。先週時点の予想確率はわずか20%だった。
オーストラリアの保健当局は、新型コロナウイルスに感染した78歳の男性が1日、西オーストラリア州パースの病院で死亡したと発表した。国内で新型ウイルス感染による死者が報告されたのは初めて。 感染者は29人となった。
ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)、ウエストパック、AMP、UBS、ゴールドマン・サックスのエコノミストは2日、相次いで金融政策の見通しを修正し、3日の理事会で25bpの利下げが決まると予想した。
NABのチーフエコノミスト、アラン・オスター氏は「あすは50bp利下げの可能性がある。コロナウイルスの感染拡大を受けた経済成長へのショックに対応するため、積極的な対応に踏み切るかもしれない」と指摘。
「金融システムと市場にストレスが生じれば、RBAは他の措置(流動性支援やクレジット市場へのアクセス確保など)を積極的に検討する姿勢も示すだろう」と述べた。
RBAの広報はコメントを控えている。APRA、ASICのコメントはとれていない。
市場では政府が景気対策を発表するとの見方も一部で出ており、すべてのエコノミストがあすの利下げを予想しているわけではない。
コモンウェルス銀行のエコノミスト、ガレス・エアード氏は「明日のRBA理事会では活発な議論が交わされるだろう。保険としての利下げが決まるリスクはあるが、我々は4月の利下げを予想している」と述べた。