[ワシントン 11日 ロイター] - トランプ米大統領は11日、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するため、13日から欧州から米国への渡航を30日間停止すると発表した。英国には適用しない。同時に中小企業などに向けた500億ドル規模の低利融資による支援策も明らかにした。
トランプ氏は「近代史上、最も積極的で包括的なウイルス対策だ。厳しい措置で国民に対する脅威を大幅に減らし、最後にはウイルスに打ち勝つ」と自信を示した。非常事態宣言は出していない。
対欧州規制を巡っては、演説では物資も対象としていたが、後にツイッターで「物資は対象外」と訂正。発表を受け米株価先物
<欧州の警戒は不十分>
欧州からの渡航禁止について、大統領は、米国での感染拡大は欧州に原因の一端があると批判。「欧州連合(EU)は同じ予防措置を取ることをせず、中国やその他の感染急増地域からの渡航制限をしなかった。このため、米国では欧州からの旅行者から感染が広がった」と指摘した。
大統領は、米国到着前の14日間に一部の欧州諸国に滞在した外国人のほとんどを入国禁止とする大統領令に署名した。国土安全保障省によると、対象国はオーストリア、ベルギー、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、イタリア、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス。
合法的な永住者や米国民の近親者などは対象外となっている。
また、大統領は、労働者の感染、検疫、家族の看病について金融支援を行う方針を示した。影響を受けた一部の企業や個人の納税期限を延期するよう財務省に指示。利子や罰金は適用されない。中小企業局には、影響を受けた企業への資金・流動性供給を指示する方針だ。
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