[上海 12日 ロイター] - 中国国営英字紙チャイナ・デーリーは12日の論評で、中国の地方政府は労働者が可能な限り早期に職場復帰できるよう全力を尽くす必要があるとし、事業の正常化がさらに遅れれば、新型コロナウイルスの感染を超える悪影響が及ぶ可能性があるとの見解を示した。
中国ではウイルス封じ込めに向けて導入された緊急措置で、経済活動の大部分が停止し、工場の操業が2月に過去最低水準に落ち込んだ。ここ数週間に操業を再開する企業は増えているものの、アナリストは4月まで経済活動の正常化は見込めないとみている。
チャイナ・デーリーは多くの企業が依然として労働力不足とサプライチェーンの障害に直面していると指摘した。
「感染拡大防止策はとりわけサービスセクターの中小企業に大きな負担をかけている」とし、「事業の正常化がさらに遅れた場合、破綻や失業が相次ぎ、社会の安定が脅かされる」と警鐘を鳴らした。
また「検査や承認のプロセスにおける官僚主義的な手続き」を例に挙げ、地方政府が事業の正常化をより困難にしていると批判。
政府はあらゆるレベルにおいて「事業の再開を支援するべきだ。これは現在、ウイルス封じ込めに向けた取り組みに劣らず重要だ」と強調した。
12日は中国共産党機関紙の人民日報も、中国での新型ウイルスの新たな感染者数は減少しているものの、状況はなお厳しく、さらに感染が拡大するリスクがあるとする論評を掲載した。