[シドニー 16日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)は16日、市場の円滑な機能を支援するため、流通市場で豪国債を買い入れる用意があると表明した。19日に豪経済の支援を目的とする追加の政策措置を発表する。
また豪中銀は16日、公開市場操作で、レポ取引を通じ59億豪ドル(36億4000万米ドル)を供給した。当初計画していた額(25億豪ドル)を大幅に上回った。期間は4─93日で、93日が46億豪ドルを占めた。
中銀は13日にもレポ取引を通じて88億豪ドルを供給していた。
豪州の1カ月物オーバナイト・インデックス・スワップ(OIS)は0.28%に低下。政策金利の0.5%を下回っており、市場が追加利下げを織り込んでいることを示している。
豪中銀は今月25ベーシスポイント(bp)の利下げを実施したばかり。
ANZバンキング・グループのエコノミスト、デビッド・プランク氏は「コロナウイルスの感染拡大に歯止めをかける広範な措置が豪経済に及ぼす影響を踏まえると、追加利下げと量的緩和は不可避に思える」と指摘。
アナリストは、新型コロナの感染拡大で観光と貿易が打撃を受け、1─3月の経済成長率がマイナスになることを懸念。1991年以降で初の景気後退に突入するリスクも浮上している。
RBCのチーフエコノミスト、スリン・オン氏は「詳細の発表がなく少し驚いた」とし「対策の中身を微調整していることは明らかだ」と指摘。
「政策金利を0.25%に引き下げるだろうが、今は利下げは重要ではない。重要なのは非伝統的な政策措置だ」と述べた。