[ニューヨーク 20日 ロイター] - 国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)のインタビューで、東京オリンピックについて様々なシナリオを検討しているが、そのなかに取りやめは含まれていないと述べた。
新型コロナウイルスが猛威を振るい、世界で死者は1万人を超えた。IOCは東京五輪を予定通り7月24日から開催する方針を示しているが、延期または取りやめになるのではないかとの懸念の声が各方面から上がっている。
バッハ会長はインタビューで、IOCは取りやめを検討すらしていないとし「われわれは東京五輪の成功にコミットしている」と述べた。
世界保健機関(WHO)が参画しているIOCのタスクフォース(作業部会)は、新型コロナの感染拡大が五輪に及ぼす影響にどう対応するか決定するのは時期尚早との判断を示している。
バッハ会長は「状況がどうなるかわからない」としたうえで「もちろん我々は様々なシナリオを検討しているが、他の多くのスポーツ組織やプロリーグと違い、開催まであと4カ月半ある」と指摘。
「今回の危機が特異なのは、不確実性の克服が非常に困難だということだ。4カ月半先のことはおろか、あす、1カ月後にどうなっているか、だれにも分からない」と語った。
最終判断は金銭的な観点で下すことはないとし、五輪に関わるすべての人々の健康を守ること、新型コロナの封じ込めが重要な目的だと述べた。