[ソウル 27日 ロイター] - 韓国の大韓航空 (KS:003490)の親会社である韓進KAL (KS:180640)の株主総会が27日開かれ、趙源泰(チョ・ウォンテ)会長の取締役再任が可決された。
昨年死去した趙亮鎬(チョ・ヤンホ)先代会長の後を継いだ源泰氏は、「ナッツ姫」として知られる姉の顕娥(ヒョナ)氏と対立。顕娥氏はアクティビストファンド(物言う株主)であるKCGIと協力し、委任状争奪戦を通じて会長の交代を画策していたが、源泰氏を中心とした現在の経営体制が維持されることになった。
年次株主総会では株主の約57%が源泰氏の取締役再任に賛成票を投じた。
約48%が、顕娥氏とKCGIが取締役候補に担ぎだした金信培(キム・シンベ)元SKグループ副会長に投票したが、過半数には届かなかった。
ソウル大学のPark Sang-in教授は「航空業界が新型コロナウイルス感染拡大の直撃を受けるなか、保守的な選択をした株主もいたかもしれない」と指摘した。
しかし、源泰会長の戦いはまだ終わっていない。
大韓航空の提携先であり、源泰会長の援軍である米デルタ航空 (N:DAL)だけでなく、対立するKCGIなども2019年末以降、持ち株比率を拡大している。
同教授は「源泰会長は今回の危機は乗り切ったが、韓進KALのガバナンス(企業統治)の問題や、デルタ航空や母親、妹に依存している会長の不安定な立場は変わっていない。会長は大韓航空の経営を正常化させて自身の能力を証明する必要がある」との見解を示した。