[ニューデリー 14日 ロイター] - インド政府は14日、全国的なロックダウン(都市封鎖)を5月3日まで延長すると発表した。同国がロックダウンに入ってからすでに3週間が経過したが、感染者数は1万人を超えている。
モディ首相は国民に向けてテレビ演説を行い、「5月3日まで、全員を外出禁止とする。これ以上の感染拡大を阻止するため、全国民に要請する」と述べた。また「社会的距離を保つことやロックダウンの効果は大きい。経済面だけを見ればその代償は大きく、すでに莫大なコストがかかったように見えるかもしれないが、人々の命の前には比較にならない」とし、国民の理解を求めた。
その上で、来週には感染が確認されていない地域での必要不可欠な活動を可能にするなど、一部を緩和することに含みを持たせた。
インド国内の新型コロナウイルス感染者数は1万0363人、死者は339人。
米やイタリアなどに比べれば確認症例数は少ないが、専門家によれば、これはインド国内での検査件数が少ないためで実際ははるかに多い可能性がある。
モディ首相による演説の数時間後、ムンバイの駅には失業した出稼ぎ労働者数千人が集まり、地方への帰宅を許可するよう要求。警察は警棒を使って対応した。
警察幹部は「電車やバスが運行されていないことから抗議が起き、解散させるために警棒で対応せざるを得なかった」と述べた。
人口2億0500万人のパキスタンも15日に解除予定だったロックダウンを2週間延長すると発表。ただ、建設業など一部の経済活動を段階的に再開する意向を示した。パキスタンで確認されている新型コロナ感染者は5716人、死者は96人。
また、ネパールでも4月27日までロックダウンを延長。ネパールでの感染者は16人、死者はゼロだが、インドからの感染拡大が懸念されている。
*内容を追加しました。