[ジャカルタ 14日 ロイター] - インドネシア中央銀行は14日、主要政策金利を据え置く一方、預金準備率を引き下げた。
現在の金利水準は市場の安定維持を目指す中銀の方針に沿った水準だと表明。預金準備率の引き下げを通じて金融システムに流動性を供給する意向を示した。
中銀のペリー・ワルジヨ総裁は預金準備率について、銀行向けを200ベーシスポイント(bp)、イスラム銀行向けを50bp、それぞれ引き下げるほか、その他の流動性規制も微調整すると表明。5月1日から適用する。
中銀は主要政策金利の7日物リバースレポ金利を4.50%に据え置いた。
ロイター調査ではアナリストの半数強が据え置きを予想、残りが少なくとも25ベーシスポイント(bp)の利下げを予想していた。
総裁によると、新措置による流動性総額は117兆8000億ルピア(75億5000万ドル)で、「量的緩和」と呼ぶ流動性供給オペレーションに加わる形となる。この措置によって、これまでに300兆ルピアの流動性が市場に追加されたという。
総裁は「われわれのスタンスは緩和的、非常に緩和的だ。そして追加利下げ余地も依然としてあると言えるが、問題は世界的な不透明感が引き続き高まっていることだ」と指摘。中銀にとって現在の優先事項はルピアの安定だと付け加えた。
また、現時点で、量的緩和の拡大は成長を支援する上でより効果的だと指摘した。
マンディリ銀行のエコノミスト、アンドリ・アスモロ氏は今回の措置について、「銀行の流動性を支援する素晴らしい決定」と評価した。
ルピア
中銀は翌日物預金ファシリティー金利(FASBI)と貸出ファシリティー金利もそれぞれ3.75%、5.25%に据え置いた。
中銀は今年に入り2回の利下げを実施。昨年も4回の利下げを実施している。
<ルピア相場がカギに>
OCBCのエコノミスト、ウェリアン・ウィラント氏は「国際金融市場のストレスが十分に低下」し、ルピア相場が中銀の年末予想の1ドル=1万5000ルピアに向けて上昇すれば、中銀が利下げを再開すると予想。
キャピタル・エコノミクスのシニアアナリスト、ガレス・レザー氏も「ルピアが急激に売り込まれない限り、近く追加利下げがあるだろう」と述べた。
同氏は新型コロナウイルスの影響で今年の経済成長率がマイナス1%になる可能性があるとの見方も示した。
中銀は今年の経済成長率を2.3%と予測している。
*内容を追加しました。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20200414T085011+0000