[ヨハネスブルク 14日 ロイター] - 南アフリカ準備銀行(中央銀行)は14日、5月に予定していた金融政策委員会を前倒しで開催し、主要政策金利であるレポレートを100ベーシスポイント(bp)引き下げ、過去最低の4.25%とした。新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響に対応する。中銀は一段の利下げを実施する可能性を示唆した。
南ア中銀は新型コロナウイルスによる経済的打撃を緩和するため、1月に25bp、3月に100bpの利下げを実施したほか、債券買い入れプログラムも開始。より直接的な支援策を求める政界からの圧力に長らく抵抗していたが、事態の深刻化を踏まえ、政策対応で先進国中銀と足並みをそろえた。国内では、ラマポーザ大統領が全土を対象としたロックダウン(都市封鎖)の2週間延長を決定したことを受け、景気支援に向けた一段の措置を導入するよう声が高まっていた。
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ハニャホ中銀総裁は、新型ウイルス感染拡大抑制に向けたロックダウンの延長で経済が受ける影響に対応するものだったと説明。今回の利下げは全会一致で決定されたことを明らかにした。
中銀は今年の南ア経済が6.1%のマイナス成長に陥ると予想。ハニャホ総裁は「ロックダウンの延長で短期的な経済成長が阻害される」とし、「雇用喪失も悪化し、総需要が一段の影響を受ける」と述べた。
その上で「ロックダウンの延長と経済成長の減速がインフレの下方リスクにつながり、これにより中銀が新型ウイルス感染拡大による経済への影響に対応するための一段の政策余地が生まれる」とした。
中銀は新型ウイルス感染が終息し、世界的な需要動向が正常化すれば南ア経済は緩やかに回復すると予想。南ア経済の成長率予想は21年はプラス2.1%、22年はプラス2.7%になるとの見方を示した。
*内容を追加しました。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20200414T093307+0000