[モスクワ 26日 ロイター] - ロシア検察は25日、スパイ罪で起訴された元米海兵隊員ポール・ウィラン被告に禁錮18年を求刑した。同被告の弁護人が記者団に明らかにした。
同被告は米国籍で、英国、カナダ、アイルランドのパスポートも保有している。2018年12月にモスクワ市内のホテルで拘束されたが、おとり捜査だとして無罪を主張している。
判決は来月15日に言い渡される。
裁判は3月23日に始まったが、機密情報に関わるとして非公開で行われており、詳細の多くは弁護人を通じて明らかになっている。
米国のサリバン駐ロシア大使は、手続きが「秘密裁判」に等しく「見掛け倒しの司法だ」と批判。「非公開の隠された手続きに合法性はない。透明ではなく、不公正で、偏っている」と述べた。
弁護人は、同被告について、知り合いと一緒に行った旅行の写真を受け取るだけだと認識していたと主張。機密情報を受け取るとの認識はなかったとしている。
米当局は同被告の解放をロシア側に要求しており、この裁判が両国関係改善の「大きな障害になる」と訴えている。