[ベイルート 10日 ロイター] - レバノン・ポンドが10日、対ドルで最安値を更新した。
レバノン・ポンドは昨年10月以来60%超下落。銀行はドルへのアクセスを制限し、燃料、医薬品などの購入を優先して割り当てている。輸入取引などにかかる公定為替レートは1ドル=1507.5ポンドに設定されている。
あるディーラーによると、10日の対ドル取引レートは4250ポンド/4500ポンド。別のディーラーは、前日1ドル=4300ポンドで買い入れたが、入手が難しいことから売りを出していないと述べた。
輸入業者からは、注文確定のために十分なドルを確保することがますます困難になっているとの声が聞かれる。
政府と為替業者は先週、日々の公表相場を徐々に切り上げ、1ドル=3200ドルを目指す価格設定システムを開始した。
これに従い為替業者が10日設定した相場は3890ポンド/3940ポンド。輸入業者は、この水準ではドルは確保できないと主張している。
また中銀は10日、新たな電子外為取引システムを23日に開始すると発表した。
業者は取引の詳細を電子申請で明らかにし、その日のうちに変更があるまで、毎朝中銀が設定する売買レンジに沿った取引が求められることになる。