[シドニー 15日 ロイター] - オーストラリアのモリソン首相は15日、今年と来年は過去最大の財政赤字になるとの見通しを示した。新型コロナウイルスに対応した大型の景気刺激策が財政悪化を招く。
首相は大型刺激策は必要としたうえで、一過性の措置で、長期的には歳出を厳格に抑制する必要があるとの見方を示した。また、各州が新型コロナ対策の封鎖措置を一段と緩和する中、豪州は海外のほとんどの国に比べ、コロナの問題をうまく乗り切っていると述べた。
豪政府はこの日、インフラ整備や15の事業の優先審査に15億豪ドル(10億2000万米ドル)を投じる計画を発表。優先審査の対象にはBHPグループ (AX:BHP)の鉱山「オリンピック・ダム」や海底電線の敷設、水道・鉄道網の整備が含まれる。
モリソン氏は経済に関する会議で「登るべき山がまだある」と指摘。「(昨年12月公表の)年央経済見通しに比べると、最大で1000億豪ドル相当の経済活動が今年、失われるとみられる」とした。
「新型コロナウイルス感染拡大前の水準に戻るには、推定2年の時間を少なくとも要するだろう」とした。
15日に発表された統計によると、4月の海外からの訪問者の数は、入国制限の影響で、ほぼ100%減となった。