[ワシントン 20日 ロイター] - 米首都ワシントンの連邦地裁は20日、トランプ政権が求めていたボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)の回顧録出版差し止めを認めない判決を下した。
ボルトン氏は23日出版予定の回顧録で、トランプ大統領が中国の習近平国家主席に再選の支援を要請したことなどさまざまな政権の内幕を明らかにしている。これに対して政権側は、秘密情報が含まれていて米国の安全保障を脅かすとの理由を挙げ、裁判所に出版差し止め命令を出すよう請求した。
ただ連邦地裁のロイス・ランバース判事は「ボルトン氏の一方的な行動は重大な国家安全保障上の脅威を生み出しているとはいえ、出版差し止めがその適切な解決策であるという根拠を政府は確立していない」と指摘。また既に回顧録の抜粋が公表されている点から、差し止めを実行しても手遅れだとの見方を示した。