[シンガポール 23日 ロイター] - シンガポールのリー・シェンロン首相は23日、総選挙を7月10日に実施すると表明した。
同国は先週、2カ月以上前にわたって導入していた厳格なロックダウン(都市封鎖)を緩和した。
首相は国民向けの演説で「まだ新型コロナウイルス感染症があるため、通常の選挙活動はできない」としながらも、選挙が安全に実施でき、各党が効果的な選挙活動を行えると確信していると述べた。
候補者の指名日は6月30日。
政府は来年4月までに総選挙を実施する必要があったが、首相が早期の総選挙に踏み切るとの観測が根強かった。
首相が所属する与党・人民行動党は、1965年の同国独立以降、毎回の総選挙で圧勝している。
一部の野党は、新型コロナ感染症が流行している時期に選挙を実施するのは、公衆衛生上、問題があると主張。政府が新型コロナ対策に専念できなくなると批判している。
「ASEAN(東南アジア諸国連合)人権に関する国会議員の会(APHR)」といった人権団体は、シンガポールの選挙制度が与党に有利にできていると指摘。
APHRは先週、新型コロナ対策で選挙活動や集会が制限されれば、中小政党がさらに不利になる恐れがあると表明していた。
選挙管理委員会に相当するシンガポール選挙局は「自由で公正な」選挙を実施すると表明。追加のテレビ放送やネット配信を通じて有権者にアピールできる場を確保すると述べた。