[マリネット(ウィスコンシン州) 25日 ロイター] - トランプ米大統領は25日、中西部ウィスコンシン州にある造船所を視察し、国内製造業の復興を自らの実績として強調した。11月の米大統領選に向け民主党の候補指名を確定させたバイデン前副大統領に対し支持率で劣勢となる中、有権者へのアピールに終始した。
トランプ氏は同州グリーンベイでFOXニュース主催のタウンホールに参加後、軍艦建造を担う「フィンカンティエリ・マリネット・マリン」の造船所を訪れた。
米海軍は4月にイタリアの造船大手フィンカンティエリ (MI:FCT)とフリゲート艦建造で総額55億ドルの契約を結んでいる。トランプ氏は視察を前にツイッターでこの契約を称賛した。
重要州と位置付けられるウィスコンシンの世論調査でトランプ氏はバイデン氏に支持率で大きく水をあけられている。
米国内では、トランプ氏の新型コロナウイルス流行や人種差別反対デモへの対応を批判する声が強い。このため、顧問らは同氏に、新型コロナ危機前の経済面での功績を強調し、経済を復興させる力量があると有権者に訴えるよう助言している。
トランプ氏はかねてより、米企業の製造拠点の国内回帰を公約してきた。造船所でトランプ氏は、同施設はつい最近まで先行きが暗かったが、最近になって「多くの良いことが起きた」と指摘。
「製造業が復興する見込みは全くなかった。しかし復興を果たした。大いなる復興だ」と強調した。
激戦州のペンシルベニアをこの日訪れたバイデン氏は声明で、トランプ氏の訪問先であるウィスコンシン州マリネットの経済的成功は同氏ではなく、オバマ前政権の功績だと反論。「ウィスコンシン州でここ数週間に製造業のブルーカラー労働者の雇用が失われているという事実を隠そうとしているだけだ」と批判した。