[パリ 4日 ロイター] - 通常ならファッションショーの取材陣や招待客らで賑わう7月のパリ。ただ今年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響でその姿はみられない。
今年のパリ・オートクチュール・コレクションは、従来型のショーに代えて、オンライン開催に向けた準備が進んでいる。クリスチャン・ディオール (PA:DIOR)やバレンチノなど各高級ブランドは、7月6日─8日にオンラインでコレクションを披露する予定となっている。
リムジンサービス運営会社は商売あがったりだとこぼすが、繊維メーカーやデザイナーは少なくとも一息つけることとなった。
デザイナーのクリストフ・ジョスさんは、オンライン開催に最初はとまどいも感じたが、いつもと違う形で作品を披露することを楽しめたという。顧客の反応は未知数ながら、今後もオンライン開催を検討する方針。
年に複数回開催されるファッションウィークは、パリ市におよそ12億ユーロ(約1500億円)の経済効果をもたらす。今回は経済的な打撃はあったものの、環境汚染やゴミの量も少なくすみ、将来的により環境にやさしい開催形式を考えるという点で副次的な効果があったという。
一方、パリ市の観光当局者によると、9月までには従来のファッションショー形式が復活する方向で検討が進められており、すでにいくつかのブランドは会場を予約済みだという。