[ウィルミントン(米デラウェア州) 14日 ロイター] - 米大統領選の民主党候補指名を確定させたバイデン前副大統領は14日、クリーンエネルギーなどのインフラに4年間で2兆ドルを投資する環境政策を発表した。電力発電による温暖化ガス排出を15年でゼロにする目標も掲げた。
予備選でこれまでに示してきた政策より踏み込んだ内容で、気候変動への早急かつ強力な対応を求めてきた党内の進歩派に配慮した格好だ。
バイデン氏はデラウェア州ウィルミントンで行ったイベントで「これ以上時間を無駄にするのはやめて、今すぐ取り掛かろう」と述べた。
また、自身の環境政策は温暖化ガスの排出を削減するだけでなく、新型コロナウイルスの流行で打撃を受けた米経済の回復を支援し、クリーンエネルギー分野の雇用創出につながると強調。
「ドナルド・トランプは気候変動といえば『でっち上げ』という言葉しか思いつかないが、私の頭に浮かぶ言葉は『雇用』だ」と述べた。
バイデン氏は2035年までに電力発電による温暖化ガス排出をゼロにすることを掲げ、従来の方針から目標達成時期を15年前倒しした。
気候変動対策への支出についても、1期目の4年間で2兆ドルとし、10年間で1兆7000億ドルとしていた当初の方針より加速させる。
具体的には、ゼロ排出車の生産にインセンティブを与えて自動車産業を支えるほか、エネルギー効率の高い住宅や公営住宅の建設を進めるとした。
陣営関係者はバイデン氏の環境政策について、経済復興に向けた一連の計画の一環だと説明。財源については今後数週間に詳細を明らかにするとしたが、バイデン氏が法人・富裕層増税やトランプ大統領による高所得者減税の巻き戻しを掲げていることに言及した。