[15日 ロイター] - 11月の米大統領選に向け野党民主党候補の指名獲得が確定しているバイデン前副大統領は15日、トランプ大統領は自らの再選確率を上げるために秋からの学校再開を主張しているとの見方を示した。
米国で新型コロナウイルスの感染者が急増し、累計で350万人に迫る中、全米各地の学区は秋の新学期からの学校再開に慎重な姿勢を示しており、働く親たちに動揺が走っている。
トランプ氏は先週、新型コロナ流行に伴い閉鎖されている学校を秋に再開しなければ連邦政府の補助金を打ち切ると警告し、米疾病対策センター(CDC)が示した学校再開に向けた指針を「過度に厳格でコスト高」と批判した。[nL4N2EG07B]
バイデン氏は資金集めイベントで子どもらの質問に応じ、「新型コロナを封じ込めるため、懸命に努力する必要がある」と説明。「しかし、トランプ氏は懸命な努力をしたくない。単に、学校が再開しなければ再選確率が低下すると恐れ、学校再開を求めているだけだ」と強調した。
バイデン氏は世論調査で支持率を伸ばしており、全米の調査ではトランプ氏をリードしている。トランプ氏のコロナ対応に一部有権者が不満を抱いているからだ。
バイデン氏はこれまで、州・地方政府が学校教諭の給料を支払えるよう、新型コロナへの対応で減った予算を連邦政府が穴埋めする必要性を訴えてきた。また、学校が防護具を購入し、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)のための変更を行い、リモート学習の技術を整備できるよう、資金面で支援すべきだと述べている。
トランプ陣営の広報担当はコメントの求めに応じていない。
トランプ氏と同氏の支持者らは、学校再開にこだわる理由として、子どもに教育を提供する必要性と景気への配慮などを挙げている。