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英EU、FTA交渉で溝埋まらず バルニエ氏「合意の公算低い」

発行済 2020-07-24 00:55
更新済 2020-07-24 01:00

[ロンドン/ブリュッセル 23日 ロイター] - ロンドンで今週行われた英国とEUの自由貿易協定(FTA)締結交渉では、公正な競争や漁業権などを巡る溝を埋めることができず、EUのバルニエ首席交渉官は23日、現時点で合意に達する「可能性は低い」と述べた。一方、英交渉責任者のフロスト氏は9月中の締結は可能と期待をつないだ。

バルニエ氏は交渉後の記者会見で、「英国がオープンかつ公正な競争条件へのコミットと漁業権に関するバランスの取れた合意を拒否したため、貿易協定の可能性は現時点で低い」と指摘。残された時間がわずかとした上で、「将来のパートナーシップについて合意に達しなければ、さらなる摩擦が生じる」と述べた。

一方、フロスト氏は「かなりのギャップ」が残っていると言及。「あらゆる困難が待ち受けているものの、7月の取り組みを見る限り、9月合意の可能性は依然としてあり、これを念頭に交渉を続けるべき」と語った。

EU高官は8月末か9月までに交渉打開の可能性があると見ている一方、一部ではジョンソン英首相が合意を断念するかもしれないとの懸念も出ている。

公正な競争や漁業権を巡る溝は埋まっていないものの、両氏は他の分野での進展を指摘。フロスト氏は「交渉分野の多くで広範な意見の合致がある」とし、バルニエ氏も新たな英EU協定を巡る意見相違の解消に向け今週は一部進展が見られたと述べた。

もっとも、バルニエ氏はEUは域内の漁業に不利に働くような内容で合意することはないとし、残り数週間しかない中で英EUは互いに「遠く離れた」状態にあるとした。

フロスト氏は「あらゆる結果に備えなければならない。合意に達しない可能性はあるが、合意到達に向け非常に精力的に取り組んでいく」とした。

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