[ベイルート 4日 ロイター] - レバノンの首都ベイルート中心部に近い港湾地区の倉庫で4日、大規模な爆発が発生し、当局によると78人が死亡したほか、4000人近い負傷者が出た。衝撃波で窓ガラスが砕け散り、建物は倒壊、首都全体に振動が伝わった。
死者はさらに増える見通しで、爆発現場ではがれきの中から生存者を救出したり、死者を捜索する作業が続いている。
アウン大統領は、2750トンの硝酸アンモニウムが安全対策を取らずに6年間、同港湾地区に保管されていたとし、「容認できない」と述べた。
また、5日に緊急閣議を招集、2週間の非常事態を宣言すべきだと表明した。
ソーシャルメディア上に掲載された映像には、現場付近から巨大な煙が立ち上る様子が映っている。
爆発から数時間後も、港湾地区では炎が上がっている。
当局者らは爆発につながった最初の火災の原因に言及しなかった。治安当局者や現地メディアによると、倉庫に空いた穴の溶接作業が原因とみられる。
ハサン保健相は「多くの人が行方不明となっている。停電が起き、夜の捜索が難しい状況だ」と述べた。
同相は「われわれは大惨事に直面しており、被害の全容を把握するには時間が必要だ」とした。
ディアブ首相はテレビ演説で「関与した者に代償を払わせる」とし、爆発した倉庫の保管品についても詳細を明らかにすると述べた。
レバノンと対立関係にあるイスラエルは爆発への関与を否定。人道支援や医療支援を提供する用意があると表明した。
レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラを支援するイランや、サウジアラビアも支援を申し出た。
米国、英国、フランスなど西側諸国も支援の用意があると表明している。
*内容を追加しました。