[ヒューストン 24日 ロイター] - 米メキシコ湾に熱帯低気圧「マルコ」と「ローラ」が接近し、湾岸の石油生産の82%が停止されたのに続き、エネルギー大手は製油所の一部稼働停止に動いている。
2つの熱帯低気圧は今週、石油施設が集中するメキシコ湾岸に襲来し、暴風雨が数日にわたり発生すると予想されている。これまでに閉鎖された湾岸の石油生産施設は日量約150万バレル分と、全米の生産量の14%近くに相当する。ローラは5段階で勢力が下から2番目の「カテゴリー2」のハリケーンに発達すると予想されている。
事情に詳しい関係者によると、石油精製のモティバ・エンタープライゼズ[MOTIV.UL]は24日、テキサス州東部ポートアーサー市の大規模製油所の休止を開始。仏トタル (PA:TOTF)もまた、同市にある製油所の生産量を削減したと関係者は語った。両社はコメントの求めに応じていない。
市場関係者によると、ガソリンの指標価格は7%上昇し、6カ月ぶりの高値を付け、米原油先物も減産のニュースで上昇した。メキシコ湾の製油所と湾岸の生産施設は全米の石油精製能力の45%、原油生産量の17%を占める。
ローラはカテゴリー2のハリケーンに発達した後、27日までにテキサスとルイジアナに上陸し、時速169キロの暴風と豪雨を伴うと予想されている。石油生産施設の閉鎖規模は2017年の大型ハリケーン「ハービー」を上回っている。
関係者によると、バレロ・エナジーは24日、ポートアーサーの製油所の一部稼働停止を開始した。エクソン・モービルのテキサス州東部ボーモントの製油所はローラへの対策を検討。バレロは取材に対しコメントを控えた。