[東京 6日 ロイター] - 日本を訪れているポンペオ米国務長官は日豪印との外相会談で、台頭する中国に対抗するため4カ国の結束を呼びかけ、「自由で開かれたインド太平洋」構想の実現を訴えた。
ポンペオ国務長官は日米印の外相会談に出席するため、5日夜に来日した。4カ国会談の目的は、太平洋からアフリカにかけた地域で、民主主義や法の支配といった価値観を共有する日米豪印の連携を強化すること。
経済成長とともに力を増し、「一帯一路」構想を進める中国をけん制することを明示してはいないが、ポンペオ氏は会談の冒頭、「共産党の搾取、腐敗、威圧からパートナーを守らなくてはならない」と強く非難した。「南アジア、東南アジア、メコン、ヒマラヤ、台湾海峡で起きていることはその一部に過ぎない」と述べた。
その上でポンペオ氏は、民主主義の価値観を共有する4カ国の連携がこれまで以上に重要になるとし、「自由で開かれたインド太平洋」構想を推進する必要性を強調した。
4カ国の外相会談は、2019年9月に米ニューヨークで開いて以来2回目。ポンペオ国務長官は今回の会談で、「昨年会ったときは景色が大きく違っていた。中国の武漢市からウイルスが世界的に大流行するとは想像していなかった」と語った。その上で、「この危機は中国共産党の隠ぺいによって無限に悪化した」と述べた。
茂木敏充外相は会談後、記者団の取材に応じ、「自由で開かれたインド太平洋」構想を具体的にどう推進していくか議論したことを明らかにした。
茂木氏は「質の高いインフラ、海洋安全保障、サイバーなど様々な分野で実践的な協力をさらに進めていくことを確認した」と語った。4カ国の外相会談を定例化し、毎年1回開くことも申し合わせたという。
ペイン豪外相は会談の中で、医療や重要鉱物などについても4カ国が協力していくことに期待感を示した。インドのジャイシャンカル外相は、テロ対策やサイバーセキュリティでの連携を協議していきたいと語った。
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