[リヤド 8日 ロイター] - サウジアラビアのサルマン国王とムハンマド皇太子は8日、米大統領選でバイデン前副大統領が勝利を確実にしてから24時間余り経ち、ようやく祝意を表明した。実権を握る皇太子は、まだ敗北を認めていないトランプ大統領と親密な関係を築いていた。
バイデン氏は選挙戦でサウジとの関係を見直し、在トルコ・サウジ総領事館でのサウジ人記者ジャマル・カショギ氏の殺害事件の説明責任の追及やサウジが介入するイエメン内戦への支援停止を公約している。
他のアラブ諸国がバイデン氏への祝意表明を急ぐ中、ムハンマド皇太子はタンザニア大統領選での現職再選を祝う言葉を送ったものの、米大統領選には1日余り沈黙した。
国営サウジ通信によると、ようやく祝意を表明したのは8日1932GMT(日本時間9日午前4時32分)だった。
「サルマン国王は友好国である2国と両国民の顕著で歴史的かつ親密な関係を称賛した。誰もがあらゆるレベルでの関係の強化・発展に期待している」と報じている。
ムハンマド皇太子はトランプ氏と親密な関係を築くことで、カショギ氏の殺害事件など人権問題やイエメン内戦への介入、女性活動家らの拘束を巡り外国から批判が高まっても国際的な場でやり玉に挙がる状況を回避してきた。
サウジは、トランプ政権によるイランへの厳格な制裁を意味する「最大限の圧力」政策を強く支持してきた。ただ、バイデン氏は2015年のイラン核合意への復帰を公約している。