[バンコク 17日 ロイター] - タイ中央銀行は17日、米財務省が貿易相手国の通貨政策を分析した半期為替報告書でタイを「監視リスト」に追加したことについて、貿易や投資に大きな影響はないと表明、国内の安定を維持するマクロ経済政策の遂行能力が低下することもないとの認識を示した。
中銀のChantavarn Sucharitakul総裁補は声明で、介入は為替のボラティリティーを抑制するために行っているだけで、双方向で実施していると主張。為替レートを利用して不公正な輸出競争力を確保する意図はないと説明した。
総裁補は「現時点では、タイの国際貿易と海外からの直接投資の見通しに重大な影響は予想していない。同様に、国内の安定を図るためのマクロ経済政策について、中銀の使命を果たす能力が低下することもない」と述べた。
総裁補によると、タイ中銀は米政府と緊密に連絡を取り、タイのマクロ経済・金融情勢への理解を促しており、為替レートの柔軟性へのコミットメントも再確認している。
バーツは0.6%高の1ドル=29.82バーツ。心理的な節目となる30バーツを抜け、2013年5月以来の高値となっている。
タイのアーコム財務相は、米為替報告書について、記者団に「現時点では懸念していない」とし「まだ監視リストに追加された段階であり、米国がどのような措置を講じるかは不明だ。バーツの扱いについては、中銀が対応しているため、影響は一切ないはずだ」と述べた。