[ブリュッセル/ロンドン 17日 ロイター] - 欧州連合(EU)の外交筋と関係者は17日、英国との新たな貿易協定が18日までにまとまる可能性は乏しいと述べた。漁業権を巡り交渉担当者間の隔たりが埋まっていないという。
これとは別に、欧州議会の関係者はロイターに対し、EUのバルニエ首席交渉官がこの日、議会に「今後数日内の合意は可能だが、特に漁業権に関しては難しい」と伝えたと明かした。
AFP通信はバルニエ氏が18日までに合意が可能だと述べたと報じたが、匿名のEU外交筋によると、バルニエ氏と英国のフロスト首席交渉官は情報漏洩を抑えた、いわゆる「トンネル交渉」で漁業権に焦点を当てており、同分野での溝埋めが全体的な合意への大きな課題だという。
EU関係者によると、合意に達しなければ魚の種類に応じて異なる規則を適用する「区別化された」システムが作られるだろうが、18日までにそれが実現するとは想定していないという。
欧州議会の関係者はこの日のバルニエ氏との会合後、「18日(の合意)はないだろう。未解決の問題が多すぎる。今週末かそれ以降になる」と語った。
バルニエ氏はこの日ツイッターに「好ましい進展があったが、最後の障害が残っている」と投稿した。
英国のゴーブ内閣府担当相(国務相)は議会委員会で「残念ながら合意に至らない可能性の方が高い」とし、合意に至る確率は「50%を下回る」と述べた。
その上で、EUとのいかなる貿易協定も12月31日までに英議会の承認が必要だとした。
フォンデアライエン欧州委員長はこの日、ジョンソン英首相と電話で協議。ツイッターで「大幅な進展が見られた」としながらも、漁業権問題を巡って双方の主張になお「大きな隔たり」があり、溝を埋めるのは容易でないと認めた。協議は18日も継続する。
ジョンソン首相は電話協議後、EUとの貿易協議は「深刻な状況」にあり、EUが大幅に立場を変えない限り合意には至らないだろうと述べた。
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