[ロンドン 9日 ロイター] - 英政府の首席科学顧問パトリック・バランス氏は9日、新型コロナウイルスワクチン接種が進み、感染による死亡が減少しているものの、状況が急速に悪化する恐れは払拭できないとし、ロックダウン(都市封鎖)の緩和は段階的に実施される必要があると改めて強調した。
バランス氏は議員に対し「全てが正しい方向に向かっている。ただ誰も確信を持って終息したと言うことはできない。まだ苦境は脱していない」と述べた。
クリス・ホイッティ主席医務官(CMO)も、ワクチン接種が成功したとしても、新型コロナ感染死を完全になくすことはできないとし、「全てのモデルで一段の感染拡大の発生が示されている。ワクチン接種の結果、感染者件数に対する死亡の割合は低下するが、残念なことにゼロにはならない」と述べた。
英国の新型コロナ感染による死亡者数は世界で5番目に多い12万人超。ただこれまでに国民の3割超がワクチン接種を少なくとも1回受けており、他の国よりワクチン接種は迅速に進んでいる。