[アンマン 3日 ロイター] - ヨルダン軍はアブドラ国王の異母弟で前皇太子のハムザ王子に対し「治安と安定」を脅かす行為をやめるよう警告した。関係筋は、王子は国家を揺るがす計画に関係している可能性があるとしている。
国営通信が発表した軍の声明によると、ハムザ王子への警告は広範な治安に関する調査の一環で、これまでに元閣僚や王族らが拘束された。
アブドラ国王はハムザ王子を皇太子に任命したが2004年に解任した。
ハムザ王子は弁護士を通じてBBCへ送ったビデオメッセージで、現在自宅で軟禁され外部との接触を断たれていると明らかにした。外国勢力による陰謀にはかかわっていないと言明した上で、ヨルダンの統治制度は腐敗していると非難した。
これに先立ち、フネイティ統合参謀本部議長はハムザ王子が拘束されたとの報道を否定し「ヨルダンの治安と安定を脅かす行為を止める」ことを命じられていると述べた。
米紙ワシントン・ポストはヨルダン当局が「国家の安定への脅威」を理由にハムザ王子を含む20人近くを拘束したと報じた。
国営通信によると、拘束されたのは元財務相のバセム・アワダラ氏や王族のハッサン・ビンザイド氏ら。アワダラ氏はアブドラ国王の長年の側近でサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子の顧問も務めた。
ヨルダン情勢に詳しい元米政府高官は、この計画は「物理的なクーデター」を伴うものではなく、部族の支援を得て「民衆による街頭での暴動」のような抗議活動を起こす予定だったとの見方を示した。ヨルダン当局は外国の関与について調査するだろうと語った。
またアワダラ氏のようなサルマン皇太子に近い人物が計画に関与していたなら、同皇太子も計画を知っていた可能性が高いとの見方を示した。
サウジ王室はアブドラ国王と、国王が治安と安定を維持するために下した決定を「全面的に支持する」と表明した。エジプト、レバノン、バーレーン、イラク、クウェート、カタールもアブドラ国王を支持している。米国務省は、同国王は「重要なパートナー」であり、全面的に支持していると述べた。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20210404T221902+0000