[ロンドン 3日 ロイター] - 英国全土で3日、抗議活動を抑える目的で警察の権限を強化する法案に反対するデモが行われ、数千人が参加した。ロンドンの一部では小競り合いが起きた。
「警察、犯罪、量刑および裁判所法案」が成立すれば、警察当局は時間制限や騒音規制によってデモ隊を排除すことなどが可能になる。活動家らは反対意見を抑えるために利用されると懸念している。
「法案を廃案にせよ(Kill the bill)」デモ行進は数十の町や都市で実施され、環境保護団体「エクスティンクション・レベリオン」や「ブラック・ライブズ・マター」運動を手掛ける団体などが支援した。
ほぼ全ての行進は平和裏に行われたものの、ロンドン中心部では参加者と警察の間で小規模な衝突が発生。警察当局によると、警官10人が軽傷を負い、26人が逮捕された。
当局は「ロンドン中心部では大多数の人々はソーシャルディスタンスを守りながら参加していたが、ごく少数は現場の警官の再三の指示にも従わなかったため、強制措置を取らざるを得ず、逮捕に至った」と説明した。
一部の警察幹部はこれまで、英国では「the bill」が警察のニックネームになっているとして、デモのスローガンである「Kill the bill」は意図があって挑発的になっていると指摘している。