[ウィーン 7日 ロイター] - イラン核合意の立て直しに向け、主要国と欧州連合(EU)の外交官は7日、米国の制裁解除やイランの核開発制限をどう進めるかについて両国と個別に協議した。米政府当局者が明らかにした。
対立する米国とイランは6日からウィーンで欧州などが仲介役となり、間接協議を開始している。
2015年の核合意を巡ってはトランプ前米政権が離脱し、イランに対する制裁を再開したことから、イランが履行停止に動いている。
当事国のイラン、英国、中国、フランス、ドイツ、ロシアは6日、米国が解除できる制裁措置とイランが満たすべき核合意の履行内容に関するリストをすり合わせるため、2つの専門家グループを形成することで合意した。
外交筋によると、これらの作業グループの会合が7日、EUを議長として開催され、6月18日のイラン大統領選までに成果が得られるかどうか数週間中にも判断できるとの見方を示した。
米国はグループに含まれていないが、米当局者によると、ウィーンで米国の代表が協議について説明を受けた。
米国務省のプライス報道官はワシントンで記者団に対し「ウィーンにいる米国代表が欧州諸国、ロシア、中国と協議を行い、これらの国がイラン代表と会談した」と説明した。
協議が間接的であることや、米・イラン間の不信感、問題の複雑さを踏まえると、難しい話し合いになるとの認識も示した。
その上で「米国は包括的共同行動計画(JCPOA)に復帰するため、JCPOAと一致しない制裁を解除することを含め、必要な措置を講じる用意がある。詳細については説明する立場にない」と述べ、部分的な制裁解除の可能性を示唆した。JCPOAは核合意の正式名称。
*米当局者のコメントなどを追加しました