[ワシントン/エルサレム 7日 ロイター] - バイデン米政権は7日、パレスチナ向け支援として2億3500万ドルを拠出すると表明した。トランプ前政権が打ち切っていた、難民を支援する国連機関などへの資金拠出を再開する。
ブリンケン米国務長官の声明文によると、内訳は国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)を通じた1億5000万ドル、経済開発支援として7500万ドル、和平構築プログラム向けに1000万ドル。
米国がエルサレムをイスラエルの首都と認定し、テルアビブにあった米国大使館をエルサレムに移すと決定したことを受けて、米国とパレスチナ自治政府の関係が悪化。トランプ前政権はほぼ全てのパレスチナ向け支援を打ち切っていた。
ブリンケン国務長官は「議会と協力し、パレスチナの人々に対する米国の経済・開発・人道支援の再開計画を発表できることをうれしく思う」とした。
パレスチナ自治政府の議長府は支援再開を歓迎。シュタイエ首相は「パレスチナの人々の権利と願望に合致する新しい政治的な道のりを築くよう米政権に求める」とツイートした。
一方、イスラエルのエルダン駐米兼国連大使はツイッターで、反イスラエル感情の扇動を容認しているなどとして、UNRWAへの資金拠出再開を非難。投稿した動画で「いわゆる難民向けのこの国連機関が現行のままで存在すべきではないとわれわれは考えている」と述べた。
米国務省とのやり取りの中で、改革実行をまずは保証することなしにUNRWAへの資金拠出再開を決定したことに「失望と反対を表明した」という。
ブリンケン国務長官は、バイデン政権がUNRWAの改革を求めることを示唆。トランプ前政権はUNRWAについて、非効率で、パレスチナ難民の人数を過剰に登録しているほか、イスラエルとの対立を長期化させていると非難していた。