[ローマ 8日 ロイター] - イタリアのドラギ首相は8日、トルコのエルドアン大統領が今週、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長に恥をかかせたと非難し、「独裁者」には率直になることが重要だと述べた。これを受け、トルコは反発している。
フォンデアライエン委員長とミシェルEU大統領は6日、トルコの首都アンカラでエルドアン大統領と会談した。その際、椅子が2脚しか用意されておらず、エルドアン氏とミシェル氏が着席。女性のフォンデアライエン氏が戸惑う場面があった。その後、同氏はそばに置かれたソファに座った。
ドラギ氏は、記者団に対し「フォンデアライエン委員長に対するエルドアン氏の行動には全く賛同できない。適切な行動ではなく、屈辱を受けたフォンデアライエン氏を気の毒に思う」と述べ「これを踏まえ、独裁者と呼ぼう。独裁者には異なるビジョンや見解を伝える際に率直でなければならない」と語った。
国営のアナドル通信によると、トルコ外務省はドラギ氏の発言を受け、イタリアの駐トルコ大使を呼んで抗議した。トルコのチャブシオール外相もドラギ氏の発言を非難した。
同相は、会議の座席配置はEUの要請と国際的な儀礼に沿ったものであり、トルコは「不当な非難」を浴びていると述べた。