[ソウル 11日 ロイター] - 韓国のクォン・ドクチョル保健福祉相は11日、新型コロナウイルスの新規感染者が2200人を超え、過去最多を記録したと明らかにした。
同相はコロナ対策会議で、1カ月以上前から厳格な行動規制が敷かれているにもかかわらず、感染力の強いデルタ株が広がっており、夏の旅行シーズンで国内を旅行する人が増え、感染者が急増していると説明した。
さらに、職場や屋内ジム、教会、老人ホームなどでいわゆる「サイレント・スプレッダー」が増加し、感染源が不明の人が増えていると指摘した。
韓国では7月以降、散発的な感染拡大が起きている。当初主にソウル市内で感染が広がっていたが、その後全国的に拡大している。
最近の感染者の半数近くはソウル以外の地域と避暑地で確認されており、当局は行動規制が守られていないことを懸念している。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は側近との11日の会議で、感染者の増加に大きな懸念を示し、住民や保健当局の継続的な協力を求めた。
報道官によると、文大統領は「われわれは重要な局面に差し掛かっており、現在の感染拡大を食い止められなければ、さらに感染者が増加する可能性がある」と述べ、危機感を示した。
韓国疾病予防管理庁(KDCA)は11日、前日に新規感染者が2223人確認されたと発表した。累計の感染者数は21万6206人となった。死者は2135人。
KDCA当局者は、現在のペースで感染拡大が続けば、医療体制が圧迫される可能性があるとしている。
韓国では人口5200万人のうちワクチン接種を完了した人はわずか15.7%にとどまっている。
少なくとも1回接種した人は42.1%。政府はこの水準を9月までに70%に引き上げることを目指している。