[ワシントン 14日 ロイター] - 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は14日、バイデン米大統領が先週行った電話会談で中国の習近平国家主席に初めての対面形式での首脳会談を提案したが、合意を取り付けられなかったと報じた。バイデン氏は報道を否定した。
複数の関係者の話として同紙が伝えたところによると、習氏はバイデン氏の提案に応じず、中国に対する強硬な姿勢を和らげるよう米国に求めたという。
バイデン氏は習氏の反応に失望したかとの記者団の質問に対し、「(報道は)真実ではない」と答えた。
サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は「これは電話会談の正確な描写ではない」との声明を発表。「これまで述べてきたように、両首脳は首脳間で対話ができることの重要性を議論しており、われわれはそれを尊重する」と説明した。
電話会談について説明を受けた関係者の1人は報道内容について認め、「習氏は(両国関係の)雰囲気を先に改善する必要があるという考えを示唆したようだ」と語った。
ワシントンの中国大使館は現時点でコメントの要請に応じていない。
FTによると、バイデン氏は習氏との今後の関与に向けた複数の可能性の一つとして首脳会談を提案し、即座の返答は想定していなかった。
また、同紙が引用した米当局者によると、習氏が首脳会談の案に乗らなかったことについて、ホワイトハウスは新型コロナウイルスを巡る懸念が理由の一つだと考えているという。
対面会談の場としては、10月にイタリアで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議が可能性として持ち上がっているが、習氏は昨年初めの新型コロナ感染拡大以降、外国を訪問していない。