[ワシントン 10日 ロイター] - 米国家安全保障会議(NSC)でインド太平洋調整官を務めるカート・キャンベル氏は10日、米国が「戦略的なサプライズ」に見舞われる可能性が最も高い場所はインド太平洋地域との見方を示した。中国による太平洋の島での基地構築の可能性を念頭に置いた発言とみられる。
戦略国際問題研究所主催のパネルで述べた。キャンベル氏は、米国はインド太平洋地域にモラル、戦略、歴史上大きな利害を持っているが、オーストラリアやニュージーランドなどの諸国とは違い、地域の支援に向けて十分な措置を取ってこなかったと指摘。
「われわれが何らかの戦略的なサプライズ─つまり基地構築やある種の合意・取り決め─に見舞われる可能性が最も高い場所はどこかと問われるならば、それはインド太平洋地域だろう」とした。
その上で「向こう1─2年で最も懸念される」問題だとし、「オーストラリアやニュージーランド、日本、フランスなど、インド太平洋に利害を持つパートナーと協力しているが、時間はあまりない」とした。
キャンベル氏は発言で触れた「基地構築」について具体的には説明しなかった。ただ、中部太平洋の島しょ国キリバスの議員は昨年、ロイターに対して、中国が島の一つで滑走路と橋を改修する計画を策定していると話した。