[ローマ 28日 ロイター] - イタリア議会は28日、大統領を選出する5回目および6回目の投票を行ったが、いずれも決着を見ることはできなかった。大統領選出を巡る投票は5日目。各党首は妥協策を模索する中でイタリア史上初の女性大統領選出に向け動き始めた。
5回目の投票では、中道右派がカゼッラーティ上院議長を擁立して強行採決しようとしたが、これが中道左派の反発を招き、失敗に終わった。同議長の得票はわずか382票と、当選に必要な過半数の505票に遠く及ばなかった。
その後、1600GMT(日本時間29日午前1時)ごろから行われた6回目の投票では、どの政党も支持を呼び掛けなかったにもかかわらず、現職のマッタレッラ大統領が約340票を集めトップとなった。
議会は最終的に当選者が確定するまで、1日2回の投票を続ける方針。大統領選の投票は24日から続いている。
こうした中、右派「同盟」のサルビーニ党首は中道左派の民主党(PD)および五つ星運動の党首との会談後、記者団に対し「賢明な女性の大統領を誕生させるために取り組んでいる」と指摘。「あすには決着することを望む」と述べた。
また、五つ星運動を率いるコンテ前首相もマッタレッラ大統領の後任に女性を指名したいと語った。
関係者によると、キャリア組の外交官で情報当局トップを務めるエリザベッタ・ベッローニ氏のほか、マルタ・カルタビア司法相が候補者として擁立される可能性があるという。