[チュニス 7日 ロイター] - チュニジアの警察当局は7日、サイード大統領が最高司法評議会の解体を前日に発表したことを受け、評議会の建物を閉鎖した。評議会トップがロイターに明らかにした。
サイード大統領は、昨夏に議会を閉鎖し首相を解任、大統領令による支配を宣言して権力集中に乗り出すなど、司法との対立姿勢を強めている。
演説で「私はチュニジアと海外の全ての人に対し、司法に介入しないと断言する。いかなる案件にも人事指名にも介入せず、全権限を掌握したくはない」と述べた。
大統領は、裁判官らが政治勢力に加担しているとし、何年も判決が下されない事例があると批判している。
一方で反対派は、大統領がほぼ全権を掌握した行為はクーデターだと反発。裁判官の団体は大統領の行為は司法の独立を損なう違法行為と糾弾している。
評議会トップのYoussef Bouzakher議長は、「大統領は機関掌握の段階に動いた。大変危険で違法な事態が発生している」と述べた。
米国務省のプライス報道官は、米国はこの事態を「深く懸念」していると述べ、サイード政権に司法の独立尊重を求めると指摘。米政府はチュニジアにおける「政治改革の加速」と国内金融安定のための経済改革優先を求めたと記者団に述べた。
チュニジアの公共財政は今後数カ月間に危機的状況に陥る可能性があり、改革にとって障害になっている。