[19日 ロイター] - 中国の王毅外相は19日、バチェレ国連人権高等弁務官の新疆ウイグル自治区訪問は認めるが、中国として人権問題の存在を前提とする調査は歓迎しないと表明した。
バチェレ氏は、ウイグル族に対する人権侵害を調査する目的で長らく自治区訪問を模索してきた。この問題は中国と西側の関係悪化を招き、米国は大量虐殺が起きていると指摘。米主導で一部の国が北京冬季五輪の外交ボイコットに踏み切る事態に発展した。
王外相はオンラインで出席したミュンヘン安全保障会議で、バチェレ氏の新疆ウイグル自治区訪問は無制限になるかとの質問に、「(中国は)あらゆるバイアス、差別、いわれのない非難を拒否する」と述べた。
人権団体は、中国がウイグル族などの少数民族に対し、拷問や強制労働、100万人規模の収容所拘束など大規模な人権侵害を行っていると非難。中国は収容所は再教育・訓練施設だとして人権侵害を否定、宗教過激主義対策に取り組んでいると説明している。
王外相は、いわゆる組織的な強制労働または教育キャンプ説は全て虚偽で、でっち上げと強調。「中国政府を信頼し、政府の発表とこれまでに公開している情報を信頼してもらえればと思う」と述べた。